ことわざは昔から言い伝えられてきた知恵や教訓をまとめた言葉。
ことわざ
- 下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる
- たくさんやるうちには、まぐれで当たることもあるということ。
- 朱に交われば赤くなる
- 朱の中にまじっていると、朱に染まって赤くなるように、人も交わる友によって影響を受け、善にも悪にも感化される。
- 腹が減っては戦ができぬ
- 空腹では戦いはもちろん何もできない。よい働きをしようと思ったら腹ごしらえをしてからかからなければいけない。
- 雨降って地固まる
- 人は天気の良いのを望むが、いやな雨でも、雨の後は地面が固まってよい結果を生じる。悪いと思ったことやいざこざの後では、かえって物事が落ち着いてよい結果になることもある。どんな艱難辛苦にもくじけずに耐えねばならぬ。
- 火のない所に煙は立たぬ
- いくらかでも事実がなければ、噂は立たないということ。煙は燃えるはずの気体がもえないで空気中に出されたものだから、人の噂も必ずや何か根拠があるというわけである。
- 溺れる者はわらをもつかむ
- 身が転覆すれば、ひょうたんにでもすがりつくだろうし、万策尽きはてた者は悪魔がそっぽを向けば、そのしっぽをつかんででも哀願するだろう。人は危ない時にはどんなに頼りにならぬものをも頼る。
- 壁に耳あり障子に目あり
- 密談は誰が聞いているかわからないということで、隠し事のもれやすいことのたとえ。
- 相撲で勝って勝負に負けた
- 相撲では敵を圧しながら、ちょっとしたはずみで負けてしまう。
- ローマは一日にして成らず
- 大事業は短い間に性急に完成するものではない。綿密な計画のもとに長い年月の間、忍耐と工夫を積み重ねてこそ、はじめてできるものだ。
- 当たるも八卦当たらぬも八卦
- 易を見てもらうと当たるときもあるし、当たらない時もある。占いは必ず当たるとは決まっていないのだから、気にすることはない。
- 三人寄れば文殊の知恵
- 文殊は知恵をつかさどる菩薩。二つの目で見るよりは四つの目で見るほうが正確であり、一人の意見よりは二人の意見のほうがまさっているものであるから、愚かな者でも何人か集まって相談すれば、文殊の知恵のような妙案も出るものだ。
- 他人のふんどしで相撲を取る
- 他人まかせで自分の利をはかること。また他人の物を使って自分の義理をすますことのたとえ。
- 人事を尽くして天命を待つ
- 人間がくわだてることの成否は人間以上の力に依存する。どんなに行き届いた注意のもとに計画しても、予知しない故障がおこって実現をはばまれることがあるかもしれない。だから人力を尽くしてあとは神の意志にまかせるよりしかたない。
- 捨てる神あれば拾う神あり
- 世の中は広いから、見限って相手にもしてくれない人もいるが、その一方で助けてくれる人もいる。だから、あまりくよくよしなくてもよい。世の中はよくしたものだ。
- 春眠暁を覚えず
- 春の夜は短く、また、気候も暑からず寒からずで、眠り心地が良いので、夜が明けたのも知らずに眠り込み、明け方は目覚めにくい。
- 好きこそものの上手なれ
- 好きでやることは熱もはいるし、勉強や工夫もするので、ますます上手になる。好きだということは、そのことについて天分があるからでもあろう。芸事はいやいや練習しても伸びるものではない。
- 天災は忘れたころにやってくる
- 天災はその災害の恐ろしさを忘れたころになるとまた起こるものだから、ふだんの用心が肝心である。
- 若い時の苦労は買ってでもせよ
- 若い時の苦労は、みな貴い経験となって将来の為に役立つものだから、求めてでも苦労するがよい。
- 山椒は小粒でもぴりりと辛い
- 体は小さくても気性がはげしく、才能が優れていて、ばかにすることのできないたとえ。
- 情けは人の為ならず
- 人に情をかけておけば、いつかはめぐりめぐってよいことがある。情はうけた者は自然それをありがたく思って、情をかけてくれた人に好意をもつようになるから、何かの折には報いがあるものだ。
- 百聞は一見に如かず
- 百回聞くより一度見るほうが確かだということで、西洋でも「見てから信ぜよ」といっている。ただし、耳で聞くことは当てにならないが、この目で見れば絶対安全だなどと目を過信しすぎると、間違いを起こしやすい。一見の際にはよく見ることが大事である。
- 少年老い易く学成り難し
- だれしも若い時は先が長いから、慌てることはないと思うものだが、そのうちにすぐ老人になってしまう。ところが学問はなかなか進まないものだから、若い時に時間を無駄にせず、学問に励まなければいけない。人間年老いてからこの感慨を抱かない者はないであろうが、気のついたときには既に遅いのも悲しいことだ。
- 骨折り損のくたびれもうけ
- 苦労しても疲れるだけで、さっぱり効果があがらないこと。
- 去る者は追わず、来る者は拒まず
- 自分の信頼をすてて去っていく者は決して引き止めず、信頼して来る者はけっして拒まない。去るも来るも自由にまかせる度量の広い態度をいう。
- 喉元過ぎれば熱さを忘れる
- どんな苦しい事でもその時を過ごしてしまえば後はすっかり忘れてしまう。苦しい時に面倒を見てもらっても、楽になればその時の恩を忘れているのが人の常である。人はいろいろの事を忘れるので生きていけるのかもしれないが、時には喉元の暑さを思い出すことも必要だ。
- 聞き上手は話し上手
- 自分で話すことの上手な人は、とかく人の話を聞くのが下手なものだが、それはまだ本当の話し上手ではない。本当に座談のうまい人は、自分も話して人に耳を傾けさせるが、人にも十分話させて、それにも耳を傾ける。自分の話す事を人によく聞かせる方法を会得するには、どうしても聞くほうの身にもなってみなければいけない。
- いつまでもあると思うな親と金
- 親はいつまでも生きていて子供の面倒をみてくれるものではない。いつかは死ぬ。金も使えば減ってなくなる。自分から独立することを心掛け、倹約しておかないとかならず困る時が来る。
- 亀の甲より年の劫
- 劫とは非常に長い時間のことで、年とった人の経験は貴いものだということ。また経験を積んだ人を貴べということ。